ここ最近、「こたつ記事」なるワードが飛び交って、物議をかもしているようです。
要するに「テレビで見ただけの情報を記事にして(ネットなどで配信している)」ことを指すようです。
「楽しすぎ」
「手抜きにもほどがある」
「それはプロのジャーナリストがすることなのか」
などなど、ご意見は様々。
まあ、「こたつ記事とジャーナリズム」についての議論はここではひとまず置いといて。
「じゃあ、そのこたつ記事とやらで、果たして儲かるのか」
というところを考察したいと思います。
結論から言うと、個人的には
「労力の割には儲かるとは思います。ただし、一時的には。」
という結論かなという気がしています。
これをもう少しかみ砕いていうと
「記事を出した瞬間は、一時的にアクセス増えるので儲かると思うけど、簡単に作った記事は、すぐに飽きられてしまう。だから永続的に利益を出し続けるためには、めちゃめちゃ頻繁に記事を作成し続けないと、生きてはいけない」 |
という意味です。
これには、ネット記事(あるいはyoutubeにも同様のことが言えますが)の収益の仕組みについて理解しておく必要があります。
1)アクセスが増えれば広告収入は増える(すべてのwebコンテンツに言えること)
2)簡単に作れる人気コンテンツは、初速は速いが息も短い。さらに他の人もすぐに真似される
3)時間をかけて作ったコンテンツや、教養、ノウハウ系コンテンツは、初速は遅いが息は長い
「1」に関しては、全てのwebコンテンツに言えること。
そして「2」がこたつ記事に該当すること。
そしてその対極にあるのが「3」ということになる。
1つずつ解説していく
1)アクセスが増えれば広告収入は増える(すべてのwebコンテンツに言えること)
そもそも論ですが、広告収入で集積を得ているwebサイトは全て
「アクセス数が増えれば、広告収入は増える」
というビジネスモデルです。
そういう意味では、こたつ記事であれ、何であれ
「アクセス数につながる記事」は稼ぎになります。
ただし、息が長く稼げるか、短命で終わるのか、は別の話です。
2)簡単につくれる人気コンテンツは、初速は速いが息も短い。さらに他の人もすぐに真似される
「1」で、「アクセス数が稼げるコンテンツは収益になる」という話をしました。
よって、こたつ記事といえども、アクセス数が稼げるのであれば、広告収入は増えると思われます。
※逆にいうと、こたつ記事でもアクセス数が稼げないものは稼ぎにはなりません。ただし、そもそも作るコストがかかってないので、たとえそれが儲からなかったとしても、あまりリスクはない、という考え方もできます。
ただし、ここには「参入障壁」と「賞味期限」を考慮に入れる必要があります。
【参入障壁が低いと、誰でも真似されてしまう】
こたつ記事は、一見簡単に作れて、簡単にアクセス数が稼げるようにも思えます。しかし、誰でも作れてしまいます。最初は数人(数社)しかやってなかったかもしれませんが、「あ、こいつぁイイや!」てなわけで、競合他社も続々とまねてしてくるでしょう。なんなら、今の時代、プロの記者じゃなくても、世にいるブロガーやyoutuberなんかも、続々と参入してくるでしょうし、実際、ネット記事をすぐに動画にする時事系ユーチューバーは数多く存在します。競争が増えると、自分たちのシェアが奪われるというのは考えておかなければいけません。
【賞味期限が短い】
こたつ記事でよくある「●●番組で、▼▼さんがこんな発言をしていた!!」「■■さんのインスタがネットで話題!」みたいなものは、瞬間的にアクセスは増えるかもしれません。が、かなり賞味期限も短いです。上記のようなよくあるネット記事は2~3日もすれば、もうすぐに人々の興味はなくなっているでしょう。
【解決策】
こたつ記事で、長期的に収益を持続させるためには、とにかく「量産し、それを続ける」ことしかありません。1~2本書いたところで一瞬稼ぎは増えますが、すぐに賞味期限が切れてしまいます。つまり、「それだけで生活していくのは無理ゲー」なのは間違いありません。長期的に収益を生むためには「とにかく日々量産」これにつきます。そうすればある程度、日々のアクセス数は期待できるようになりますが、如何せん参入障壁が低いので、「おいしいネタ」はあなただけじゃなく、他の誰もが同じようにネタにしているので、競合争いが激しくなるのは言うまでもありません。
3)時間をかけて作ったコンテンツや、教養、ノウハウ系コンテンツは、初速は遅いが息は長い
さて、こたつ記事とは逆の記事・コンテンツについても触れておく。
単語としてしっくりくる用語を知らないんだけど、要するに
「専門知識が必要な、ある程度時間をかけて作られたコンテンツ」です。
●教養・知識系(例:歴史、政治、学習)
●専門知識・ノウハウ系(例:web制作、プログラミング、ソフトウェア解説)
有名なところでいうと、オリラジ中田さんの「youtube大学」みたいな感じですかね
自分もプログラミング系の解説動画を作っていますが、こういう動画はとにかく時間がかかります。
30分の動画をつくるとしても、ある程度シナリオを準備するのに、なんだかんだで1週間くらいかかるかもしれません。そして、1週間でまとめるためには、そもそもの予備知識として、一定レベルの蓄積をすでに持っている人、というのが前提になります。(予備知識が無い人は、まず、それら基礎を学習するところからスタートしなければいけない)
こういう、かなり時間をかけて作ってたコンテンツは、初速は遅いです。その日その時に、そのノウハウを必要としているは少ないからです。しかし、非常に息が長く、1年2年たっても、一定のアクセス数が期待できます。
例えば、今日私がプログラミングの動画をアップしたからといって、今日、プログラミングを学習したいという人はかなり限定的です。しかし、年間を通じてみると、今月も数名いらっしゃるでしょうし、来月も数名いらっしゃるでしょう・・・再来月も、その次も・・・。今日プログラミングをしたいかどうかはともかく、「そのうちプログラミングをやり始める」という潜在的ニーズはずっと存在しますので、ある程度、長期間にアクセス数が期待できます。そして、この手のものは、参入障壁が高いため、競合は少ないです。
【この記事のまとめ】
●こたつ記事・・・瞬間的にアクセス数(収益)は稼げるが、短命。長期にわたって収益を得るためにはとにかく日々連発しなければいけない。そして競合多数。
●時間がかかるコンテンツ・・・初速は遅いが、長期にわたってアクセス数(収益)が期待できる。ただし、それを作るには、それ相応の知識レベルとノウハウレベルが必要。そして作るのにも時間がかかる。しかし競合は少ない。